シャツとソックスの日記

@shatsutosokks の日記帳です。

2022/12/09「全体も部分もモヤモヤ(仮面ライダーBLACK SUNを見て)」

仮面ライダーBLACK SUNを見た。

全体も部分もモヤモヤしっぱなしの、微妙な体験になった。以下、ネタバレあり。

 

 

 

 

あらすじを書こうとして、全体のストーリーは……とキーボードを叩いたが、次に書くことは10分経っても見つからなかった。私にはこの作品がどういう作品だったのかいまいちよくわかっていないので、この話で言いたかったことって結局なんだったんだ? というのが最後まで見終わった後の最初に出てきた感想だ。

現在(少なくとも2020年代前半)とそれから50年前の過去の2つの時間軸が作品内では描かれ、その中で南光太郎や秋月伸彦(がいて、ゴルゴムや人間たちに戦いを挑むことになる。これが大まかな話の筋になっているが、じゃあそこでテーマというか、この話をもとに何が言いたいのか? というのは全くわからなかった。

こういう作品は久々だったし、もし監督など制作スタッフは特撮オタクをバカにする意味をこめて作ったんだよと言われたら、ちょっと納得するかもしれない。そんな感じだ。

 

何か話が始まるのかと思ったらひっくり返されるし、なんというか……全体的に軽薄な感じなのだ。だいたいの主要なキャラクターは現在と過去の間の50年間を生きているはずだが、全体的にびっくりするほど変わっていない。50年前に好きだった女を今でも好きな男なんて、フィクションで出すなら相当その理由に説得力を持たせないといけないのではないだろうか。

50年経っても人間性(いや怪人性か?)が何も変わっていないので、あれだけの時間をかけて過去編を描写することを正当化する根拠が作品内部から読み取れなかった。結局オチも現在と過去とで変わっていないしね。

 

いちおう人間の役者の腕がもげたり刃物が腹に突き刺さったりしているのに、そんな描写を見ても私は笑ってしまったのだが、そういう軽薄さに由来するのかもしれない。もっというと、私にも理解できるような登場人物ではなかったから、なんとなくコメディのように面白く見えてしまった。

 

 

 

全体の話をしたので次は部分、個々のシーンに対する印象の話をする。しかし、それもまた歯切れの悪い感じになってしまう。

見終わってから日記を書くまでの時間を経てもいまだに印象に残っているシーンは2つだ。

1つは、最終話冒頭でいきなりやってきた仮面ライダーBLACK OPのパロディだ。あれはずるい、爆笑してしまった。最後になってやっつけ仕事のように、必然性もなく「仮面ライダー BLACK」(オープニングテーマのほう)が流れ出したのは、上で書いたような軽薄さの最たるものという感じで本当に面白かった。これやっとけば視聴者は喜ぶだろうと本当に心から思って撮影したんだとすれば、バカにするのも大概にしろと思う。

もう1つは本当にいいなあと思ったシーン。怪人の少年が前から因縁のあったKKKみたいな集団にリンチされているところを上から撮っているシーンだ。通り掛かっているサラリーマンが目を背けて去っているところや、しっかり暴力が隠蔽されているところ、自分達ではない存在に向けられる暴力のエグいところが、この作品にあるまじきリアリティを持っていたと思う。あれがこの作品で1番良いシーンだったと誰かに言われても、正直納得するだろう。

 

ちなみに、監督の白石さんはアウトローものばかり撮っている監督のようで、↓のwikipedia情報によると

監督作品の中にたびたび「のエキス」というアイテムが登場するが、これは師匠若松孝二が映画を撮れなかった時期に生計を立てるために輸入して失敗した商品であり、師へのオマージュである[10]。また、ヒーローと考えている登場人物には痰を吐かせるという定番の演出がある[10]

そうな。

ヘヴンは「鮫のエキス」に由来してたのかなあとか、そういえば痰を吐いている人物は誰と誰だっけなあとか、作品を見た後で読むとちょっと面白い要素があったので、これから何か作品を見るときは制作スタッフのWikiの記事くらいは読んでから見ようと思う。

 

ja.m.wikipedia.org

 

なんだか言いたいことがまとまっていない感想になってしまった。

まあ、ひとことでいうと私にとってつまらなかった。それがこの日記を書いた動機なのだ、ということが伝わってくれればいい。

 

www.kamen-rider-official.com

 

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