今日はこの本を読んだ。
ここ半年の間に読んだ本の中で、1番つまらなかった。誰が読んで嬉しいのかわからん。
この本に書いてあることはすごーーくおおまかにいって2つしかない。デジタルトランスフォーメーション(以下 DX)とはなにか、そしてそれはどうやるのか、この2つ。個人的には、第8章はそこそこ良かった。
はっきり言って、この本を読んで DX やるぞ! みたいな会社が DX しようとしたってどうせ失敗するんだから、DX なんてのはやめてしまったほうがいいと思う。
この本を読んで自分でやるより、コンサルか SIer にぶん投げたり、テキトーにチャットツールだけでも導入してそれっぽくしたほうがいい。実務家にぴったり♪ みたいなAmazonレビューが目につくけど、冗談でしょって感じ。
特に気になったのが2つ。
1つめ。
DX における事業づくりで、MVP を作った後にその事業には見込みがなさそうだとなったとき、その事業を終わらせられるようにしましょう、というところ。
これ、ほとんどの組織で実践できないでしょ笑 新規事業を潰します、となった時に、その責任問題であるとか、評価が下がるとか、まーいろいろな(会社員にとっての)不利益は想定されないのだろうか。
負け戦に参戦してしまった会社員たちは、彼らが合理的であるために、負け戦を勝つまで続けるための方策をいろいろ思いつくんじゃなかろうか。そこをさらっと「負けは負けと認めましょう♪ アジャイルで繰り返していくのが吉です♪」と流されても、とても実践的とは思えない。
失敗も受け入れて見ずに流せる組織にする方法を書いて教えたほうがいいよ、ふつうの会社には。
2つめ。
CoE を設立して、現場レベルと経営レベルの視座をつなげましょう♪ みたいなことが書いてあるところ。
正直、多くの組織において CoE は単なるコストセンターとしてみなされる。そういう組織を作りましょう、と言われても、なかなか経営層を説得するのは難しい。ましてや運営するのも。まあそれは CoE の性質上しかたのない部分もあるんだけど。
話がずれちゃったけど、この本に書いてあるのは「なぜ CoE が必要なのか」という経営陣を説得するような観点からの意見ではないと思う。結局のところ経営陣クラスが説得できなければ CoE を設立するのは難しい話だと思うので、そういう話がないのは残念だった。
まああと、正直、みんな自分の会社を DX したいんですか? というのは読んでいて思った。そこまでみんな真面目に働いてるの?