「統帥権の独立」を読んだ
今日はこの本を読んだ。
日本軍における「統帥権の独立」という慣習は、軍のコントロールを誰もできないという状況をもたらし、1930 年代ごろから軍部の暴走という問題を引き起こした……という、通説がある。
この本は、これは果たして「統帥権の独立」がもたらしたことだったのか? そもそも「統帥権の独立」とはなんだったのか? を探る本。
めちゃくちゃ面白かった。最新の研究を紹介してくれる本は本当に好きなので。
「統帥権」とは、戦争における軍隊の作戦行動を指揮する権利、および軍隊の編成を決定する権利、この 2 つがごちゃ混ぜになった用語(なのだと読んで理解した)。
軍人の専門領域として軍人にのみ決定権が与えられるべきだとされた前者の領域に対し、後者の領域は政治とも密接に関わってくるところだっただけに、誰が決めるのか? で揉めることが多かった。この揉め事を天皇以外の誰も解決できず、さらに天皇自身が政治責任を負えないという体制が組まれていたことで、「統帥権の独立」は大きな問題になってしまった。
個人的には、明治政府という「人」(創業メンバーである元勲)に重く依存した組織において、そうしたメンバーが抜けた後、誰が主体として決めていくのか? を見つけられなかったという本書のメッセージにはとても納得した。
大所高所からの視点がないまま、各専門部署が己の部署の利益だけを考えて行動した結果、炎上……というケース、今でもあるよねー
そういう意味で、本書に書いてあるのはとても現代的なことでもあるのだ、という著者の主張にも納得。「専門知をどう使うのか?」という話は、今でも考えていかないといけないよねー
