今日はこの本を読んだ。
就職氷河期世代の個人にフォーカスを当てるのではなく、統計データによる世代間・世代内の比較を通して、就職氷河期(バブル崩壊)が日本の労働市場に与えた構造的変化とはどのようなものなのか、示そうとする本だ。
いやー、面白かった。就職氷河期世代あるいはポスト氷河期世代についてよく言われる通説を、データで洗い直しているところがよかった。
例えば、よく言われる「就職氷河期世代は(雇用が不安定だから / 収入が低いから) 結婚できない、子どもが持てない」という通説が本書では取り上げられ、その通説には疑問符がつけられている(どういうふうに? と思ったらこの本を読もう)
他にも、労働における男女格差、世代内での格差拡大、地域差 etc と、この本で取り上げられているトピックは幅広い。200 ページもないくらい薄い新書ではあるけれど、どの章も読み応えがあった。
個人的には第4章や終章で、氷河期世代の中でいずれ大量に現れることになる、孤立した低所得老人、という政策課題が取り上げられてたのが1番よかったかなー
もう持たない制度に時限爆弾が送り付けられているようなものなのに、政治がうまく対応できていない、という点がとてもよく伝わってきたので。
ちょうど切込隊長の記事を読んだばかりだったので、いろいろ納得しながら読んでいた。
わたしは見てないけど、pivot に著者の方も出演しているので、本買うかどうか悩むなーって人はこっちを見てもいいかもしれない。
