シャツとソックスの日記

@shatsutosokks の日記帳です。

「愛と欲望のナチズム」を読んだ

今日はこの本を読んだ。

 

↑なんとKindle unlimitedに入っている。すごすぎる。GW中に読むといいかも

 

ナチスがどういったスタンスで「性」の問題を扱っていたのか、そのいろいろな側面を、一次資料からの豊富な引用とともに示そうとした本。ひとことでいえば面白かった。

 

ナチズムがどういうふうに性を捉えていたのかというと……混乱していたと言ってよさそう。

あるいは、性の問題について、ナチスには一貫したスタンスもなければ統一されたメッセージもなかった、といえるのかな。性欲は便利な道具であり、その時々と目的と指導者層の個人的意向によって、(他のほぼ全てのものと同じように)人間を支配するために使われた道具であった。もちろん国民もただ支配されるだけではなくて、それをうまいこと使っていたのだが。

 

例えばナチドイツ期における、裸はえっちかえっちじゃないか、どんな裸ならえっちじゃないか、みたいな議論が本書では取り上げられていた。

個人的にはこういう論点が存在していて、それがナチス(党)という国家で議論された、というのは(現代日本という、私がいまいる地点からすると考えにくいので)面白かった。

エロっていうやつがエロなんですぅ〜みたいな意見を目にするとは思わないじゃん。

 

まあ裸のところは比較的ライトな?テーマだからこうやって日記にも書きやすいけど、書きにくい同性愛のところ(第1章)なんかもかなり読むべきではある。

上では一貫したスタンスはなかったって書いたけど、同性愛を病気だと思っているところはナチス指導者層においては一貫していたかもしれない(少なくともレームを除けば)。そしてどういう政策を実行したのかについても、知っておくべきだろう。

翻って、現代では?