今日はこの本を読んだ
中国の思想家・荀子の思想についてコンパクトにまとめた本。
現代語訳→書き下し→白文(返り点とか打ってあるから本当は違う言い方のほうが正しそう)の後に解説がついているという構成が読みやすくて良かった。
荀子の考え方は「人って自分勝手なところがある(性悪)けど、そこは儀礼の習得や学び続けることを通して、よりよい自分に到達できる」みたいな考え方なんだよ! というふうにこの本では解説していた。そういう、努力を肯定する方向の思想だと思っていなかったので、ちょっと意外というか、ここは読んでよかったポイントだった。
ただまあ、解説の人が荀子をけっこう持ち上げているのがなんだか引っかかった。
なんというか、もう少し批判できるところとか、こういう考えをした時には荀子の考えが矛盾するから限界があるとか、そういう記述もあるともっとよかったと思う。
個人的には、荀子の思想が努力を肯定するものだとしたら、当時の中国のような身分制の社会にはとても相性が悪いものであるように感じられる。
「努力をして自分を向上させていくことができる」というなら、「なぜ自分は努力をしても天下を統べる君子や貴族になれないのだろう?」という問いがやってきそうなものだけれど、そのへんはどう考えていたのかなあ。というのが気になった。