シャツとソックスの日記

@shatsutosokks の日記帳です。

「八月の光」を読んでる

今日までこの本を読ん

 

まだアメリカ南部で黒人が人間扱いされていない時代(今よりももっと酷かった時代)。そんな時代にアメリカ南部・ミシシッピのジェファソンという街へ、リーナという女がやってくるところから始まる。

この女が街にやってきた理由と、同時期に起きた殺人事件。この2つが、小説におけるストーリーになっている。

 

正直フォークナーのことは全然知らんかったけど、マジで面白かった。長いけど、面白かったから頑張って最後まで読めた。

 

特に殺人事件に関わるほう。そこで出てきたクリスマスというキャラがかなり良い。彼は白人のように見えながら、黒人の血が混じっているかもしれない……という、自分ではどうにも解決できないが自分のアイデンティティがそこに全てかかっているような、そんな問題を抱えている。そしてその問題に振り回されて(あるいはやけになって)自分の人生をめちゃくちゃにしている。

私はクリスマスのように血の問題で悩んでいるわけではないんだけど、「自分とは何者なのか?」という問いを抱えながら自分の人生を悪い方へ悪い方へともっていく様子は、今の時代でも似たような人がいるよな、と思った。クリスマスがこの小説の面白さの8割くらいはになっている気がする。それくらい好きなキャラ。

 

他の登場人物も、まともに自分の頭で考えられる奴はみんな「自分はあんなことをすべきじゃなかった」という後悔と向き合ったり逃げ出したり開き直ったりしていて、そのありかたの違いもかなり心に残った。いろんなやりかたがあるなあと。

 

いやーほんとに面白い小説だった。

長いし最後のほうは蛇足にも思えるし、普段は好きになりそうな日常系アニメから出てきたんかって感じのキャラ(リーナ)が今回は全然好きになれないとか、そういう嫌なポイントもあるけど……これは面白い。

面白いって言葉を使うこと自体、この日記では珍しいはず。個人的には「肉体の悪魔」「シベリアの掟」以来の、面白かったという言葉を素直に使える小説だったな〜

 

あと、ハイタワーが1番、私に似ていると思う