カドカワ系のマンガ雑誌、コミックキューンの2023年1月号がKindle Unlimitedに入っていたので読んでみた。
私のコミックキューン知識は「ひなこのーと」で止まっているので、現在はどんな作品が載っているのか知らなかったのだが、
面白い作品があった。それが「大正忌憚魔女」だ。
どんな話か説明するために、公式サイトの説明を引用してみよう。
大正時代の日本で暮らす小さな魔女の物語。
大正時代の日本と西洋の魔術。
異なる文化を繋ぐのは
嫌われものの魔女でした。
これだけだとあんまり説明になっていないかもしれない。まあ、大正時代の日本に、海外から「魔女」の夜迷(よまい)がやってきて暮らす、という内容のマンガだ。
「魔女」と書いたがこれは比喩ではなく、本当に魔術が作品の世界には存在し、魔女はそれを使える。夜迷は魔術の研究をするために日本に派遣されてきた。
何が面白いのか(好きなのか)
作者の方はそういう意図でやっているわけじゃないのかもしれないが、個人的にはなんといっても、作品内の不穏な感じが刺さった。
作品紹介にも「嫌われものの魔女」と書かれているが、魔女の世迷は結構マジで周囲からは嫌われ、もしくは恐れられている。
そんなふうにメインキャラが嫌われ / 恐れられているのと、大正時代という時代が持つ華やかさと絶妙に不穏な感じ(大正やその後の時代に何があったのかを考えてしまった)という要素が混ざり合って、毎回続きがとても気になる。
もっと具体的にいうと、毎号読み終わるたびに、次回このキャラは生きているのか、健康でいてくれるかどうか、全く安心できないのだ。
巨大な一難(周囲からの悪感情)を目の前にしつつ、もう1人のメインキャラである女学生の麟(りん)との関係性(これも結構好きだ)や小さな変化のきっかけも作品内では積み重ねているので、いつかきっといい感じになるんじゃないかな……とは思っているんだけど、いつか全部ぶっ壊れてしまうのでは……?という不安もある。そういうところが好きだ。
それに、「どういうバックグラウンドがあってこのキャラはこう考えるようになったんだろう?」「魔女はなぜ嫌われているんだろう?」「魔術とはなんなのだろう」「いつか夜迷と麟が別れる日はほぼ確実に来るはずだけど、その時はどうなるんだろう」とか、メタな読みになってしまうが「コミックキューンというほんわかマンガ雑誌に載っているけど、これは本当にほんわかするんだろうか……?」というふうに、いろいろと考えてしまう。
そういうことを考えてもしょうがない作品も世の中には割とあるが、これに関してはそういうことを考えてもいい作品なのかもなーと5話(コミックキューン2023年1月号掲載)を読んだら思えた。こういう瞬間があるのも読んでて嬉しいポイントだったな。
読んでくれ
というわけで、「大正忌憚魔女」を不穏さと関係性を楽しめるオタクにオススメしたい。
現在、コミックウォーカーだと登録しなくても3話までは読める。
4話がコミックキューン2022年12月号(下にリンクがあるやつ)に載っているが、これもKindle Unlimitedに入っていれば読むことができる。5話が載っている2023年1月号も同じなので、もしUnlimitedに入っていれば追加でお金を払わずとも連載に追いつくことができる。
Unlimited未加入でも、そのうちコミックウォーカーに4話が追加されると思う。その時にでも読んでみてほしい。4話の最初の1ページは最初に読んだ時、めちゃくちゃ笑ってしまった思い出があるので、特にオススメしたいぞ!
それにしても、パッションがあるとたくさん文字を書けるものなんだな〜