今日はこの本を読んだ。他にもオススメしている人はいるだろうが、私にとってもオススメの1冊だ。
ヤマト、佐川、日本郵便といった宅配業界の巨大企業たちが、どういう歴史を辿って今の位置にいるのか、どうやって儲けているのか、といった内容に踏み込んで書かれている。
それだけではなく、宅配業界の現場について企業にただ取材を申し込むだけでは難しい内容であっても、横田さんの取材力(その中には、実際に現場に潜入することも含まれる)によってカバーされており、読み応えが抜群だった。
ヤマトなどにとって、横田さんのような人は脅威なんだろうなあ……というのは、最後の方に書かれていた株主総会への出席を拒否されるエピソードや、記者会見に出席したら広報課長が飛んできたエピソードから窺い知ることができた(あと、自浄作用のなさも)。
宅配業界には私もずいぶんお世話になっていたが、その便利さの陰で現場がこんなに疲弊しているというのはこの本を読むまで知らなかった。
この本が書かれた当時と今とで、業界がどう変わったのかは調べていない。調べていないが、いわゆる2024年問題(働き方改革の影響で物流業界が既存の仕組みでは回すのが難しくなる問題)が取り挙げられているように、きっと今も長時間労働や低賃金といった課題は解決していないのだろう。
それにしても、こういう業界や、教職、介護職、看護師のような、社会にとってかかせない業種ほど低賃金で長時間労働になっているのは、なんでなんだろう?