シャツとソックスの日記

@shatsutosokks の日記帳です。

「PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話」を読んだ

今日は飛行機に乗っている間にこの本を読んだ。

 

 

今でこそエンターテイメント企業としてディズニー参加でブランドを確立しているピクサー。でも、1995年(つまり、トイ・ストーリーを世に出すまで)まではどこで儲けるのかもはっきりしない、万年赤字体質のへっぽこベンチャー企業でもあった。

 

筆者はジョブズリクルートされ、CFOとしてベンチャー企業ピクサーのビジネスに参加し、IPO(株式公開)やディズニーとの買収話に深く関わるようになる。本書は主に、1994年(筆者がピクサーに参加した年)から1997年(ジョブズのアップル復帰)までの期間と、2005〜6年(ディズニーによるピクサー買収の交渉が行われた時期)がテーマになっている。

 

かなり面白かった。アイドルをテーマにしたアニメやゲームを見ていると、夢を売るアイドルと現実のビジネスという対比がたまに出てくる。

アニメやゲームだとアイドル側がビジネス側から与えられる困難に打ち勝って(笑)、そこが1つのドラマになったりする。

私はそういう話を読むと「ちょっと待てよ、ビジネスも1つの側面だろ」と冷めてしまうほうなので、今回のようにエンタメベンチャー企業ピクサーのビジネス面を支えた人が書いた本はぴったりだった。

 

当たり前だけど、会社として何かを作ってやっているからには、売上を立てたり、社員を雇ったり維持したり、新しい機械を導入したり……ただよいものを作ればいい、というわけではない。

給料や人事の制度はどうしよう、もし上場するならストックオプションは?(ちなみにピクサー株のストックオプションの話はこの本でかなり分量が割かれていた) などなど、考えることはいっぱいある。

 

そういう話はピクサーですら例外ではなく、「トイ・ストーリー」でヒットするまでの苦戦ぶりとか、あるいはヒットした後のディズニーとの交渉とか、コンテンツを支える部分の話がたくさん読めて面白かった。

 

個人的には、ピクサーの範囲外の部分ではあるけれど、トイ・ストーリーが売れた理由がもうちょっと読みたかったかな。いきなりヒットしてビックリした。

 

とはいえ、けっこう読んで良かった本だった。おすすめ。