今日、街をぶらぶら歩いていたら、宅配便の人が自転車で荷物を運んでいた。
これ自体は前からちょこちょこ見つけていたのだけれど、今日の人はヘルメットをつけて漕いでいた。
そういえば自転車を運転する際に、ヘルメットをつけるのが努力義務になったって聞いたなあ……
と、ここまでは知っているけれど、そもそも、努力義務ってなんなんだろう?
努力義務とは、法律や契約の文面にて「〜〜するように努めなければならない」と書かれているものらしい。努めなければならないのであって果たさなければならない義務ではないので、違反をしても罰則などはない(らしい)。
↓ソース
そういうものらしい。じゃあ、なんでこんなものが必要なんだろうか。
違反をしても罰則を課すこともできなければ、法律によって行動を変容させられる人々の数は少ないのではないか。そういう意味で、努力義務って実効性の低い、役に立たないものな気がする。
他の措置ではなく努力義務を選ぶことが合理的になる場面の例があんまり思い浮かばない。
罰則を課すことまでは国政の場で合意ができないけど、ふわっとよくないよね〜という気持ちだけはみんな持っている……みたいな場面や、何かしてますよ〜というポーズだけとれればいい場面かなあ。カスみたいな会議の後か?
努力義務ということにしておきつつ、人々の行動を変容させよう、という前例は最近もう1つあった。それはワクチン接種だ。これもそうだったんか……とちょっとビックリしたが、確かに自分の判断で、と言われた記憶もあるような。
しかし、ワクチン接種にしろ自転車ヘルメットにしろ、国民に対してそんなに不利益にもならないようなことが、努力義務としてしか決定できないというのか。なんだかこの国の意思決定能力に大丈夫か? と言いたくなる案件だが、まあそれは今はいいか。
それより、いろんなことが努力義務として、なんとなくそういう雰囲気に持っていかれていることを問題にしたい。はっきり言って、気色悪い。
罰則を課すことは表立ってしない(できない)けど、そういう空気を作り出すことで人々の行動を変容させようとしている……というのには(気持ちの面で)反対なので、仮に私が自転車乗る時はヘルメットは被らないことにします。そもそも自転車にふだん乗らんけど。損するのは自分なんだけど。