今日はこの本を読んだ。シロアリの生態で1冊まるまる書き切った、とっても根性のある本だ。
シロアリ研究に人生をかけてきた筆者が、シロアリ一匹(例えば働きシロアリとか……)の生態からシロアリが作り出すコロニーのしくみまで、書いた時点でわかっていることをたくさん注ぎ込んだらできたのがこの本になる。
たしかにシロアリやアリ、ハチといった、社会性のある昆虫の研究は面白そうだ、とこの本を読んで思った。それぞれの個体が属する社会において、どのような役割を果たしているのか、そんなことを研究できる分野はなかなかない、という本書の記述は、たしかにその通りだな……と納得したし。
読む前までシロアリのイメージなんて全然なかった私に、この本は「シロアリは面白い研究テーマなんだ！」と説得をしてきたという感じで、その試みは成功している。面白い本だった。
そう、面白い本なのだ。なのだが、たまに出てくるシロアリがウジャウジャいる写真は、やっぱりどうしても気持ち悪い……。
シロアリの研究は面白いというのが頭でわかっていても、シロアリを見るのは耐えられないということのほうがむしろ心に残ったかもしれない。
これから読む人もそこだけは心構えをしたほうがいい。
