シャツとソックスの日記

@shatsutosokks の日記帳です。

「ロシア点描(小泉悠)」を読んだ

今日は「ロシア点描」を読んだ。

ロシアの軍事を研究する筆者が経験したロシアでの出来事などを絡めながら、ロシアという国のことをもっと知ってもらおう……という意図のもと書かれた本だ。

 

ロシアによるウクライナ侵略の後に出ており、比較的最近のイベントにも触れられている。例えばナゴルノ・カラバフ戦争とか、ベラルーシカザフスタンの政情不安、もちろんロシアのウクライナ侵略にも。

 

で、この本が面白かったのかでいうと……うーーん、微妙だった。少なくとも、期待していたほど面白くはなかった。

 

まず、著者の小泉さんも最後の方に言っていることであるが、小泉さんは最近ロシアに入れていない。最後に行ったのが2019年11月とのことだから、そろそろ丸四年が経つ。なので、単純にロシアで遭遇した面白おかしいできごと集……というふうには、あまり読めない。

 

私はけっこう小泉さんのファンで、他の著作も何作か読んでいるし、講演などもYoutubeにあがっていたら見るようにしている。そういう目線から見ると、すでに発表している内容との重複も少し気になった。

例えば、「ロシア点描」の3章にあった地下空間の話や、軍事博物館の話は↓の本のほうがより詳しく書かれていた。先にそっちを読んでしまったぶん、今回読んだ時の体験としては面白さ割引だった。まあ、「ロシア点描」を先に読む人は全然問題ないと思う。

 

 

他にも、プーチン体制のこれから、という話は下記の講演とテーマが被っており、似たような話もいくつかあった記憶がある(この記事を書くために講演見直したりはしてないけど)。


www.youtube.com

 

とはいえ、じゃー全部が全部つまらない、どこかで聞いたことのある話で構成されているわけではない。

私はジョージア人のタクシードライバーの話とかは初めて読んだのだが、めちゃくちゃ笑ってしまった。そういう意味で、小泉さんを追っかけているような人でも楽しめるし、そうじゃなくて単にロシアに興味があるだけの人ならもっと楽しめると思う。知的好奇心が満たされるというより、楽しませてくれる、という言葉の方が向いている、そんな本だ。

 

いつかまた、小泉さんがロシアに行けるようになるといいなあ。そういう日が早く来ることを祈っている。