シャツとソックスの日記

@shatsutosokks の日記帳です。

2023/01/11「今日まで読んでいた本: 近代家族の成立と終焉 新版」

「近代家族の成立と終焉 新版」という、Kindle Unlimitedに入っていた本を読んだ。上野千鶴子さんが書いた本だ。
 
インターネットで時たま流れてくる上野さんの発言だけで知った気になるのも悪いし、いつか本とか読みたいなあとは前から思っていたのだが、なかなか手が出なかった。とりあえず今回読めてよかった。
 
内容としては、30年ほど前の1994年に出た本の再録がメインだった。新版に新しく収録されたものは、江藤淳に関する講演の口述(?)1本と、後書きとなる「自著解題」の2つくらいだろうか。
 
率直に言って、本選びに失敗した。フェミニストとしての上野さんがどういうことを言っているのか知りたい時に読むべき本ではなかった。この本で男女や家族(夫、妻、子供)といった概念について語っている部分は、たいてい70年代か80年代の社会を踏まえての記述になっているので、現代の社会に対して何を言っているのか、という面ではあまり参考にならない。
 
ただし、上野さんがこの本で言っていたような社会に、だいぶ近づいているのはわかった。そこは素直にすごいなあと思う。
あと、今の上野さんがこの本に書いてあること、特に老人についての記述を読んだらどう思うんだろう? 「高齢者が自分自身を見る眼は、あいかわらず三十代、四十代のままなのである」(p368, Kindle版)とか、実際にご自身が高齢者になられた今読んだらびっくりしたりするのかな?