今日まで何日かかけて、ARIAのアニメ第2期、ARIA The NATURALを見ていた。
2期も、面白い!
1期はそこそこアニメオリジナルなエピソードが目についたが(過去へ行く回とかね)、今回は比較的原作に忠実なアニメ化という感じがした。ストーリー(話の筋)は原作通りで、人物や音楽、絵作りという面でアニメ版らしいところが出ているというか。それはそれで良い。
アクア(テラフォーミングされた火星)のネオ・ヴェネツィアにて、プリマ(1人前)のゴンドラ乗り(観光案内人)を目指すという、アニメ1話1話に横串を刺すような大筋はだいぶ後ろに下がっている。
単話の中で素敵なことがあって、小さな幸せを登場人物が見つけて、また明日。という展開がだいたい26回繰り返されるのだ、と思ってもらえればいい。それだけ聞くとつまらなさそうに聞こえるかもしれないが、このアニメは間違いなく面白い。
このアニメの1番の魅力は、見ている私のことを映し出す、鏡のような部分だ。
ある人がこのアニメを見て、「ああ、このお話はステキだな」「うーん、これはそんなにだな」と思ったとしたら、そのある人はこういう感性を持っている、ということに気づくきっかけになる。
例えば、2期に入ってから、登場人物間の恋愛感情がお話の中で出てくることが増えた。3話とか。
こういう展開に対して、「少女漫画的だ」「唐突すぎる」「こういうのは求めてない」などと言って、おしまいにするのは簡単だ。実際、最初は私もそう思っていた。
でも、そうやって切り捨ててしまうのは、もったいない。
他の話と同じように、恋愛感情だってなんだって、素敵なことだと思って製作陣は作っていると思う。それを受け取れない自分に、アニメを見るのと同じ目を向けてほしい。
このアニメを見て、素敵なことに気づける自分って、まだまだ捨てたものじゃないな……と思うだけでも良い。
それだけでも良い。時間の無駄には、決してならないアニメだ。
ただ、繰り返すが、このアニメの素敵じゃないところを通して自分を振り返って、自分の無意識的なバイアスに気づいてほしい。
心を鏡で見るような、そんな珍しい体験を、このアニメを通じて視聴者にはしてほしい。珍しくそう思った。
1期の感想。
ネオ・ヴェネツィアの水面を見たら、こんな経験ができるなんて、素敵なことだな……と思う。心から。